ピルは副作用が多くて危険であるというイメージをもたれている方も多いかと思います。
どのような薬にも副作用があるように、ピルにも副作用がありますが、正しく理解することで安心、安全に服用することができます。
ここではよく耳にする、誤解されやすいピルのリスクについて説明していきます。
ピルの服用を中止するだけで通常の排卵が戻り、妊娠することが可能です。排卵が戻る時期には個人差がありますがほとんどの方が3~4ヵ月以内には回復するといわれています。またピルを内服していたからといって妊娠しづらくなるということもありません。
また中止後すぐに妊娠した場合でも、妊娠に気が付かずしばらく服用を続けてしまっていた際も、赤ちゃんに影響はないとされています。
ピルの服用と体重増加との間に因果関係はないとされています。
服用初期におこるマイナートラブルでむくみや食欲増進が出た場合も、一時的なもので、一般的に3ヵ月ほどで落ち着いてきます。
・排卵を抑制する(主な効果)
・子宮内膜を変化させて受精卵の着床を妨げる
・子宮頸管の粘液を変化させて精子の子宮への進入を妨げる
低用量ピルを毎日正しく服用することで女性ホルモンをコントロールでき、これらの作用により99%以上の避妊効果が期待できます。
月経困難症とは、生理痛や頭痛など生理中におこるさまざまな不調をいいます。
生理のときには子宮の内側ではがれ落ちた子宮内膜をカラダの外に出すため、子宮を収縮させるプロスタグランジン(出産時の陣痛をおこす作用もあります)という物質が子宮内膜で作られます。このプロスタグランジンが痛みの原因とされており、ほかにも全身に作用して下痢や吐き気、頭痛などが起きます。
ピルの服用により子宮内膜が厚くなるのを抑えることで、プロスタグランジンが分泌されにくくなります。その結果生理痛が軽くなり、月経困難症も改善します。
PMSとは、生理前におこるイライラや気分の落ち込みなどさまざまな不調をいいます。
原因は諸説ありまだ解明されていませんが、月経周期におけるホルモンバランスの乱れやストレスが誘因とされています。
ピルの服用によりホルモンの変動を小さくし、身体的・精神的な不調を軽減させる効果があることから、PMSの改善が期待できます。
子宮内膜症とは、子宮以外の場所(卵巣や骨盤内)で子宮内膜のような組織が増えていく病気です。子宮以外の場所で増えてしまった組織には出口がないため、お腹の中にたまって炎症をおこし、激しい痛みなどの症状を引き起こします。月経困難症の原因にもなります。
ピルの服用により子宮内膜が増えるのを抑えることで、子宮内膜症の予防や治療を行うことができます。
生理が不規則な場合も、ピルを服用することで生理周期が整い、規則正しく生理(消退出血)がくるようになります。
規則正しく生理がくることで、生理日の予測も容易となります。
大切な予定やイベントなどと生理が重なってしまいそうな場合は、生理開始日を移動させることができます。
生理日移動には中用量ピルを用いることが一般的ですが、低用量ピルでも生理開始日を調整することが可能です。
ピルの種類や生理をずらしたい日数などによって服用方法が異なります。実施する際は、確実かつ安全に調整するためにも医師に確認してください。
女性のニキビはホルモンと大きく関係しています。そのため生理前や生理中にニキビができる場合は、ホルモンバランスの乱れが影響しているといわれています。
女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンは男性ホルモンと似た役割をもち、皮脂の分泌を増加させます。生理前はこのプロゲステロンが多く分泌します。
そして生理中は体内の女性ホルモンが減少するので、体内の男性ホルモンの割合が普段より大きくなります。そのため生理前と生理中はニキビができやすい環境となってしまいます。
ピルを服用することでホルモンバランスが整い、黄体ホルモンの分泌や男性ホルモンのような作用を抑えることができると考えられるため、ニキビの改善が期待できます。
ピルの排卵を抑える作用により、排卵時の卵巣や卵管の損傷を避けることやゴナドトロピン(下垂体から出る卵巣に作用するホルモン)のはたらきかけが減ることで卵巣がんの発生リスクを下げるとされています。
また子宮体がんは子宮内膜のがんであるため、ピルの子宮内膜の成長を抑える作用により、子宮体がんの発生リスクが低下すると報告されています。
さらにエストロゲンの投与が大腸がんのリスクを低下させることが知られていて、エストロゲンを含むピルの服用により大腸がんのリスクが減少することがわかっています。
低用量ピルを服用してから最初の1~2ヵ月におこりやすい副作用をマイナートラブルといいます。
・不正出血
・吐き気
・胸のはり
・頭痛
・むくみ
など
個人差はありますが、症状がでたとしても3か月以内に徐々に軽減されおさまることが多いです。
服用し続けても改善されず、症状がひどい場合や長く続く場合は医師に相談してください。ピルの種類を変えることで症状がおさまることもあります。
子宮頸がんと乳がんのリスクがやや増加すると考えられています。
一方で卵巣がん・子宮体がん・大腸がんのリスクは減少させます。
子宮頸がんと乳がんに関しては定期的な検診を受けることで対策することができます。乳がんは自己検診の方法もあります。そして子宮頸がんは定期的な検査により早期発見または前がん状態(異形成)で発見することができ、がんを未然に防ぐことができます。ピルの服用にかかわらず検査を受けるようにしてください。
低用量ピルで注意しなければいけない副作用が、血が固まって血管を塞いでしまう血栓症です。
1年間で1万人あたりの静脈血栓症の発症率は、低用量ピルを服用しない人の場合1~5人ですが、低用量ピルを服用すると3~9人に上昇するという報告があります。
一方で、妊娠中の静脈血栓症の割合は1年間で1万人あたり5~20人、また分娩後12週間の場合は、40~65人といわれています。
このことから、妊娠中から出産後の女性に比べると低用量ピルの内服による血栓症のリスクはかなり低いことがわかります。
ドクターピルラボでは、産婦人科専門医が外来のような診療をオンライン上で行っており、動画で細かく事前説明を行っています。
ピルについて理解したうえで処方を受け、服用していただくことを徹底しているため安心して利用することが出来ます。
まずは是非お気軽にご相談ください。
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