月経に関連した身体的・精神的不調は毎月訪れる一方で、職場の理解や生理休暇などの待遇改善は十分とは言えません。
しゅふJOB(株式会社ビースタイルホールディングス)が「生理やPMSの影響で“仕事で困った”と感じること」について調査を行っています。
“集中できず思うように力が発揮できない” 23.9%
“服や椅子を汚してしまった” 16.3%
“体調を崩し会社を遅刻・早退した” 10.5%
“イライラして他社とトラブルになってしまった” 8.3%
“立ち眩みや貧血で倒れてしまった” 8.2%
株式会社明治による「生理の悩み実態調査」では、働く女性の80%が仕事上で“困った経験がある”との結果が出ています。
また、仕事のパフォーマンスを100とした場合、生理の症状があるときのパフォーマンスをきいたところ、平均で80.2となり、20ポイントも低下がみられる結果となりました。
これらの“仕事で困る”原因として以下が考えられます。
月経困難症とは、生理中におこるさまざまな不調をいいます。
・生理痛
・頭痛
・吐き気
・下痢
・イライラ
・憂うつ
など
生理のときには子宮の内側ではがれ落ちた子宮内膜をカラダの外に出すため、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が子宮内膜で作られます。これが痛みの原因として、生理痛やそれ以外にも下痢や吐き気、頭痛などが起きます。
PMSとは、生理前におこるさまざまな不調をいいます。
・イライラ、怒りっぽくなる
・のぼせ
・下腹部膨満感、下腹痛
・腰痛
・頭重感、頭痛
・乳房痛
・憂うつ、気分の落ち込み
など
原因は諸説あり、まだ解明されていませんが、ホルモンバランスの変動やストレスが誘因といわれています。
1周期当たりの総経血量の正常は20~140mlとされています。それ以上の場合は過多月経となりますが、実際に経血量を測定することや他の人と比較することは難しく、主観的な評価となります。
客観的な評価としては、“レバーのような血の塊が出る”、“ナプキンが1時間持たない”などがあれば過多月経である可能性が高いです。
また過多月経により貧血になっている場合が多いと考えられます。
株式会社明治の「生理の悩み実態調査」では、20代から40代女性を対象に、生理前や生理中の症状で悩みを感じるかの調査も行っています。その結果、この3か月間に生理があったと回答した4,418人中、85%が“悩みがある”と答えています。
また生理前や生理中に感じる症状では、“下腹部の痛み”(生理痛)は49.7%と約半数が生理痛に悩んでいるという結果でした。
生理にともなう“仕事に支障がでる”症状には低用量ピルが有効です。
ピルの服用により子宮内膜が厚くなるのを抑えることで、プロスタグランジンが分泌されにくくなります。その結果生理痛やその他の月経困難症状も軽くなります。体調を崩しにくくなり、精神的にも安定してきます。
子宮内膜がはがれ落ちるのが生理ですが、その子宮内膜が厚くなるのを抑えるため経血量が減り、貧血になりにくくなります。また経血が漏れてしまう心配がなくなります。
ピルの服用によりホルモンバランスが整い、さまざまな身体的・精神的な不調を軽減させる効果があることから、PMSの改善が期待できます。イライラや体調不良がおこりづらくなります。
生理にともなう“仕事で困る”症状に有効なピルですが、副作用が出ることがあります。
低用量ピルを服用してから起こる可能性のある主な副作用は以下になります。これらが出てしまった場合でも3か月以内におさまることがほとんどです。
・不正出血
・吐き気
・胸のはり
・頭痛
など
服用し続けても改善されない、症状がひどい場合は医師に相談してください。
ピルの種類を変えることで症状がおさまることもあります。
低用量ピルで注意しなければいけない副作用に、血が固まって血管を塞いでしまう血栓症があります。
1年間で1万人あたりの静脈血栓症の発症率は、低用量ピルを服用しない人の場合1~5人ですが、低用量ピルを服用すると3~9人に上昇するという報告があります。
一方で、妊娠中の静脈血栓症の割合は1年間で1万人あたり5~20人、また分娩後12週間の場合は、40~65人といわれています。
このことから、妊娠中から出産後の女性に比べると低用量ピル内服による血栓症のリスクはかなり低いことがわかります。
職場では打ち明けづらい、また理解してもらえずひとりで悩みを抱えている…ドクターピルラボではそんな働く女性特有の悩みや不安についてサポートを行っております。
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